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書評:メモの魔力もアウトプット大全もいいですが、やっぱ知的生産の技術はスゴい本

 『知的生産の技術]』って?

 メモの魔力やアウトプット大全と言えば、2018のベストセラーです。

 それだけアウトプットが注目されているということだと思います。

 それで改めて思ったのですが、『知的生産の技術]』(梅棹忠夫:岩波新書)は本当にすごいです。書かれたのは昔ですが、今読んでも色あせることのないアウトプットの極意が書かれているからです。メモの魔力やアウトプット大全もいい事が書かれてますが、数年後も残る本かと言われたら、ちょっとどうでしょう。一方、知的生産の技術は、50年もの間読み継がれています。僕の手元にある本は、2010年発行のものですが第85刷発行となっています。こんなに刷られた本ってなかなかないんじゃないでしょうか。

 梅棹忠夫って誰?

 著者の梅棹忠夫さんは、京都大学の文化人類学者です。その研究のためのフィールドワークで書き留めた資料を整理し、アウトプットする方法がこの本には書かれています。

 また、梅棹忠夫さんは、晩年両目を失明したのですが、失明後、それ以前よりも多数の著作を残すというアウトプットの鬼です。

 知的生産とは

 この本によれば、知的生産とは「頭をはたらかせて、なにかあたらしいことがら―情報ーを、ひとにわかるかたちで提出すること」です。

 この知的生産という概念に対立するものとして知的消費があります。この本によれば、趣味としての読書は、麻雀やゲームみたいなものだということです。

 このようなものに対し、既存の、あるいは新規の、さまざまな情報をもとにして、それに、それぞれの人間の知的情報処理能力を作用させて、そのにあたらしい情報をつくりだす作業が知的生産だということです。

発見の手帳

 知的生産の第一歩として、手帳をつけるという習慣を獲得することがこの本で挙げられています。この手帳に書かれるのは、「発見」です。経験の中でおもしろいと思ったことや、自分の着想を記録するということです。ここでのポイントは、短くても、その場でちゃんとした文章で書くことです。

 このような「豆論文」が蓄積されることで知的活動の記録となります。

ノートからカード、あるいはEvernote

 ここで、梅棹忠夫さんは、知的生産におけるノート(手帳)の欠点を指摘します。それは、ページが固定されていて、内容の順序が変更できないことです。つまり、情報の整理の面で不適当であるということです。

 そこで、梅棹忠夫さんは、ノートからカードに切り替えます。このカードには、「豆論文」が記載されています。記録の媒体をカードにしたことのメリットは、単に情報を記録したり分類したりすることではなく、情報を取り出して組み合わせることです。これにより、知識の創造が可能となります。

 このカード、「京大式カード」として販売されているのですが、今の時代だと、Evernoteが、このカードのように使えて、しかも便利なんじゃないかと思います。整理、分類の点では、断然Evernoteが便利でしょう。でも、任意の情報を組み合わせて眺めるようにして使うには、ちょっと工夫が要りそうです。

 このように、今読んでもアウトプットの参考になることが多い本でした。この本の内容に加えて更に現在使えるテクノロジーやサービスを組み合わせて、更に効率的な知的生産ができる気がしました。

コメント

  1. […] […]